浅葱色の計算用紙

数学(広義)を扱っています。

そろばんで4乗根を計算する方法

注意: 非現実的

備忘録: (a+b)^4=a^4+4a^3b+6a^2b^2+4ab^3+b^4

 

手順

(平方根や立方根にはないが4乗根には現れる操作は太字で強調した。)

 

0. 与えられた値をそろばんに入れる。

1. 初根を求め、その4乗を与えられた値から引く。

2. 初根の2倍をそろばんの左側に置く。

(3.以下は必要な桁数分だけ繰り返す)

3. 左側に置かれている数で余りを2回割る。

  3a. 10^nの位を求めたいときに割る桁数は、1回目は余りの10^(4n+1)の位まで、2回目は10^(4n+2)の位まで割る。

4. 2回割った商を既根で割り、その商(1桁)を次根とする。

5. (既根+次根)×次根を2回割った商から引く。

  5a. 引けない場合は仮商修正と同様の方法で次根を1小さくする。

6. 次根の2乗の半分を2回割った商から引く。

  6a. 引けない場合は(既根+次根)+(次根+1)を足すことで仮商修正を行う。

7. 2回割った商の残りを左側に置かれている数で掛けてその結果を1回割った商に足す(掛け戻し)。

8. 次根の3乗の2倍を1回割った商(に掛け戻し分を足したもの)から引く。

  8a. 引けない場合は2回割った商として(既根+次根)+(次根×2+1)+1/2を追加し、これで再び掛け戻しを行う。

9. 1回割った商の残りを左側に置かれている数で掛けてその結果を余りに足す(掛け戻し)。

10. 次根の4乗を余りから引く。引けない場合は次のステップを実行する。

  10a. 2回割った商として(既根+次根)+(次根×2+1)+1/2を追加し、これで再び1回割った商への掛け戻しを行う。

  10b. 1回割った商に(次根)×(次根+1)×6+2を足し、これで再び余りへの掛け戻しを行う。

11. 次根の2倍を左側に置かれている数に追加する。

 

注意: 5,6の手順は2回割った商の10の位を一の位とみなして計算する。

注意: この手順では小数が出てくるため、そろばん上に値を入れることが不可能になる可能性がある。しかし、小数が生じるのは2回割った商のみ、それも小数以下は.0か.5しかないので、小数が生じたかどうかという情報を覚えておけばよい。また、覚えておかなくてもそろばんのどこかに1bit分の情報を持たせることは可能であろう。

 

 

具体例.

(1) 1677万7216の4乗根

1. 1296=6^4<=1677<7^4=2401であるから、初根に6が立ち、余りは381万7216となる。

2. 左側に12を置く。

3. 2回割った後の値は2650余り10余り1となる。

4. 265÷6の最初の桁は4であるから、次根を4とする。

5. 265から64×4を引く。残りは9である。

6. 16の半分の8を引く。残りは1である。

7. 掛け戻す。(1*10+0)*12+10=130が得られる。

8. 4^3*2=128を引く。残りは2である。

9. 掛け戻す。2*12+1=25が得られる。

10. 4^4=256を引く。余りがなくなったので終了する。

よって、1677万7216の4乗根は64である。

 

(2) 70万7281の4乗根

1. 16=2^4<=70<3^4=81であるから、初根に2が立ち、余りは54万7281となる。

2. 左側に4を置く。

3. 2回割った後の値は3420余り2余り0となる。

4. 342÷2の最初の桁は1であるが、これは100の位に立つ1であるから、次根を9とする。

5. 342から29×9を引く。残りは81である。

6. 81の半分の40.5を引く。残りは40.5である。

7. 掛け戻す。(40.5*10+0)*4+2=1622が得られる。

8. 9^3*2=1458を引く。残りは164である。

9. 掛け戻す。164*4+0=656が得られる。

10. 9^4=6561を引く。余りがなくなったので終了する。

よって、70万7281の4乗根は29である。

 

(3) 1055万6001の4乗根

1. 625=5^4<=1055<6^4=1296であるから、初根に5が立ち、余りは430万6001となる。

2. 左側に10を置く。

3. 2回割った後の値は4306余り0余り0となる。

4. 430÷5の最初の桁は8であるから、次根を8とする。

5. 430から58×8を引く。5×8は引けるが8×8は引けないので、修正する。

  5a. 次根を7にして5を戻す。残りは31である。

6. 49の半分の24.5を引く。残りは6.5である。

7. 掛け戻す。(6.5*10+6)*10+0=710が得られる。

8. 7^3*2=686を引く。残りは24である。

9. 掛け戻す。24*10+0=240が得られる。

10. 7^4=2401を引く。余りがなくなったので終了する。

よって、1055万6001の4乗根は57である。