ゴドマチ数え上げ(1)
一般に、最初の2つの図形が合同の時は定義より後手の勝ちであるから、最初の2つの図形が合同でないときのみを考えればよい。
よって、1単位マッチ、2単位マッチは自明(どちらも後手必勝)であるから、3単位マッチ以上を考えればよい。
3単位マッチ
非合同なトリオミノの組は次のパターンしかない:
0110 0000
0010 0111
(ただし1の部分がブロックとする)
この場合、先手は次のxの部分を削除すれば勝利できる:
0110 0000
00x0 011x
よって非自明な3単位マッチは先手必勝である。
4単位マッチ
1単位以上削除して非合同な図形を作ると後手必勝となるから、先手必勝となるためにはどんな組に対しても1手で合同な図形ができなければならない。
T以外のテトロミノは1×2の長方形の領域を削除して残りを1×2の長方形の領域にできるので、T以外の非合同なテトロミノ2つが与えられれば先手必勝となる。
また、TとO,L,Sの場合は1マス削除して両方をL-トリオミノにすることができ、TとIの場合は1マス削除して両方をI-トリオミノにすることが出来るので先手必勝である。
よって非自明な4単位マッチはどんな場合も先手必勝である。
5単位マッチ
1単位以上削除して非合同な図形を作ると後手必勝となるから、先手必勝となるためにはどんな組に対しても1手で合同な図形ができなければならない。
W,I,X以外は1マス削除してL-テトロミノにすることができる。
以下、これらが含まれる場合を表の形で数え上げる。表の太字でない要素は削除してできる形を示す。-Trはトリオミノ、-Ttはテトロミノを表す。
W | I | X | |
---|---|---|---|
F | S-Tt | (不可能) | T-Tt |
L | L-Tr | I-Tt | (不可能) |
N | S-Tt | I-Tr | (不可能) |
P | S-Tt | I-Tr | T-Tt |
Y | L-Tr | I-Tt | T-Tt |
Z | L-Tr | (不可能) | (不可能) |
T | (不可能) | I-Tt | T-Tt |
U | L-Tr | (不可能) | (不可能) |
V | (不可能) | I-Tt | (不可能) |
W | (合同) | (不可能) | (不可能) |
I | (不可能) | (合同) | (不可能) |
X | (不可能) | (不可能) | (合同) |
ここで、(不可能)とあるのは1手で合同にできない、すなわち後手必勝な組み合わせを意味します。すなわち、上の表で(不可能)となっている組み合わせのときは後手必勝、それ以外の時は先手必勝である。
・・・といきたいところですが、実は今まで扱わなかったルールがあります。それは、「先手と後手が最初の形を1個ずつ選べる」ということです。すなわち、先手が任意の初期配置に対して勝てなくても、ある1つの形を固定したときにもう1つの形がどのようなものでも先手必勝なら、先手はその固定した形を最初に選ぶことが出来るので先手必勝になってしまいます。
5単位マッチの場合は、先手がPまたはY-ペントミノを選べば相手がどんなペントミノを選んでも先手必勝になるので、ゲーム全体も先手必勝となります。