最適な平均律を求めて
問題(抽象的):
整数比を表すのに最適な平均律は何か?
試み:
各平均律について、その平均律で整数比を近似するとどれだけのずれが生じるかを求める。具体的には、以下の式の値を各\( n \)に対して求める:
\( \displaystyle { \sum_{k=1}^{20} \mathrm{error}(n\log_{2}{k})^2 } \)
\( \mathrm{error}(x) = \mathrm{round}(x) - x \)
\( \mathrm{round}(x) \text{は} x \text{に最も近い整数} \)
実際に\(n=1,\cdots,100\)としてExcelで数値計算すると、次のグラフが得られた:
また、値が小さい方から順に、
53, 77, 41, 94, 31, 46, 87, 24, 84, 72, 12, 89, ...
となった。
3倍音
53, 94, 41, 12, 65, 82, 29, 24, 77, 70, 17, 36, ...
5倍音
59, 87, 28, 31, 90, 56, 3, 62, 84, 25, 34, 93, ...
7倍音
26, 83, 52, 57, 78, 31, 5, 21, 88, 47, 62, 73, ...
11倍音
37, 74, 98, 61, 24, 13, 50, 87, 85, 48, 11, 26, ...
つまり結局どれがいいんでしょう。
1つの倍音に注目すると他の倍音の精度が下がるので、トレードオフなのですね。
ちなみに、最初の式のΣの中を2乗ではなく絶対値にすると、こうなりました:
53, 41, 94, 77, 12, 87, 31, 65, 24, 46, 84, 22, ...
12平均律が上がってきていますね。2乗和にすると近似の悪い部分が強調されるので、12平均律は「精度の低い倍音が少ない」ということでしょうか。
もう53平均律でいいよ