浅葱色の計算用紙

数学(広義)を扱っています。

最適な平均律を求めて

問題(抽象的):

整数比を表すのに最適な平均律は何か?

 

試み:

平均律について、その平均律で整数比を近似するとどれだけのずれが生じるかを求める。具体的には、以下の式の値を各\( n \)に対して求める:

 

\( \displaystyle { \sum_{k=1}^{20} \mathrm{error}(n\log_{2}{k})^2 } \)

\( \mathrm{error}(x) = \mathrm{round}(x) - x \)

\( \mathrm{round}(x) \text{は} x \text{に最も近い整数} \)

 

実際に\(n=1,\cdots,100\)としてExcel数値計算すると、次のグラフが得られた:

 

f:id:asangi_a4ac:20190716062806p:plain

また、値が小さい方から順に、

53, 77, 41, 94, 31, 46, 87, 24, 84, 72, 12, 89, ...

となった。

 

次に、各倍音をよく近似する平均律をリストにする:

3倍音

53, 94, 41, 12, 65, 82, 29, 24, 77, 70, 17, 36, ...

5倍音

59, 87, 28, 31, 90, 56, 3, 62, 84, 25, 34, 93, ...

7倍音

26, 83, 52, 57, 78, 31, 5, 21, 88, 47, 62, 73, ...

11倍音

37, 74, 98, 61, 24, 13, 50, 87, 85, 48, 11, 26, ...

 

つまり結局どれがいいんでしょう。

1つの倍音に注目すると他の倍音の精度が下がるので、トレードオフなのですね。

 

ちなみに、最初の式のΣの中を2乗ではなく絶対値にすると、こうなりました:

53, 41, 94, 77, 12, 87, 31, 65, 24, 46, 84, 22, ...

12平均律が上がってきていますね。2乗和にすると近似の悪い部分が強調されるので、12平均律は「精度の低い倍音が少ない」ということでしょうか。

 

もう53平均律でいいよ