浅葱色の計算用紙

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センター試験数学C

この記事では0を自然数に含めることとします。

ネタバレ注意: この記事にはセンター試験の解法が含まれます。

問題(2019年数学ⅠA第3問を参考に一部改変): 赤い袋に2個の赤球と1個の白球、白い袋に1個の赤球と1個の白球が入っている。

0回目の操作では赤い袋から球を1個取り出して、球の色を確認してその袋に戻す。また、任意の自然数aに対し、a+1回目の操作ではa回目に取り出した球の色と同じ色の袋から球を1個取り出して、球の色を確認してその袋に戻す。

このとき、次の問いに答えよ。ただし、nは自然数とする。

(1) n回目の操作で白球が取り出される確率をpとするとき、n+1回目の操作で白球が取り出される確率をpを用いて表せ。

(2) n回目の操作で白球が取り出される確率をnを用いて表せ。

 

解答:

(1)

n+1回目に白い袋から白球を取り出す確率は\( p\cdot\frac{1}{2} \)、

n+1回目に赤い袋から白球を取り出す確率は\( (1-p)\cdot\frac{1}{3} \)であるから、

求める確率はこれらを足し合わせて

\( p\cdot\frac{1}{2}+(1-p)\cdot\frac{1}{3}=\frac{1}{6}p+\frac{1}{3} \)

 

(2)

n回目の操作で白球が取り出される確率を\(a_n\)とし、n回目の操作で赤球が取り出される確率を\(b_n\)とする。

このとき、(1)と同様にして

\( a_{n+1} = \frac{1}{2} a_n + \frac{1}{3} b_n \)

\( b_{n+1} = \frac{1}{2} a_n + \frac{2}{3} b_n \)

であるから、

\( \begin{pmatrix} a_{n+1} \\ b_{n+1} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \frac{1}{2} & \frac{1}{3} \\ \frac{1}{2} & \frac{2}{3} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} a_n \\ b_n \end{pmatrix} \)

となる。

そこで、

\( A = \begin{pmatrix} \frac{1}{2} & \frac{1}{3} \\ \frac{1}{2} & \frac{2}{3} \end{pmatrix} \)

とすると、

\( \begin{pmatrix} a_n \\ b_n \end{pmatrix} = A^n \begin{pmatrix} a_0 \\ b_0\end{pmatrix} \)

となる。

そのため、Aの固有値を以下で求める。

\( \begin{eqnarray} |A-\lambda E| &=& \left(\frac{1}{2}-\lambda\right)\left(\frac{2}{3}-\lambda\right)-\frac{1}{3}\cdot\frac{1}{2} \\ &=& \lambda^2-\frac{7}{6}\lambda+\frac{1}{6} \\ &=& \left(\lambda-1\right)\left(\lambda-\frac{1}{6}\right) \end{eqnarray} \)

であるから、Aの固有値は1と1/6である。

ここでは求め方を省略するが、1と1/6に対応する固有ベクトルの1つはそれぞれ(2,3),(-1,1)であるから、

\( P = \begin{pmatrix} 2 & -1 \\ 3 & 1 \end{pmatrix}, B=P^{-1}AP \)

とすると、

\( B = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & \frac{1}{6} \end{pmatrix} \)

であるから、

\( B^n = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & \frac{1}{6^n} \end{pmatrix} \)

である。

したがって、

\( \begin{eqnarray} A^n&=& PB^nP^{-1} \\ &=& \begin{pmatrix} 2 & -1 \\ 3 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & \frac{1}{6^n} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \frac{1}{5} & \frac{1}{5} \\ -\frac{3}{5} & \frac{2}{5} \end{pmatrix} &=& \begin{pmatrix} 2 & -\frac{1}{6^n} \\ 3 & \frac{1}{6^n} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \frac{1}{5} & \frac{1}{5} \\ -\frac{3}{5} & \frac{2}{5} \end{pmatrix} \\ &=& \begin{pmatrix} \frac{2}{5}+\frac{3}{5}\cdot\frac{1}{6^n} & \frac{2}{5}-\frac{2}{5}\cdot\frac{1}{6^n} \\ \frac{3}{5}-\frac{3}{5}\cdot\frac{1}{6^n} & \frac{3}{5}+\frac{2}{5}\cdot\frac{1}{6^n} \end{pmatrix} \end{eqnarray} \)

であるから、

\( \begin{eqnarray} \begin{pmatrix} a_n \\ b_n \end{pmatrix} &=& \begin{pmatrix} \frac{2}{5}+\frac{3}{5}\cdot\frac{1}{6^n} & \frac{2}{5}-\frac{2}{5}\cdot\frac{1}{6^n} \\ \frac{3}{5}-\frac{3}{5}\cdot\frac{1}{6^n} & \frac{3}{5}+\frac{2}{5}\cdot\frac{1}{6^n} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \frac{1}{3} \\ \frac{2}{3} \end{pmatrix} \\ &=& \begin{pmatrix} \frac{2}{5}-\frac{1}{15}\cdot\frac{1}{6^n} \\ \frac{3}{5}+\frac{1}{15}\cdot\frac{1}{6^n} \end{pmatrix} \end{eqnarray}\)

である。したがって、求める確率は

\( \frac{2}{5}-\frac{1}{15}\cdot\frac{1}{6^n} \)

である。