異なる3個の実数解
※この記事は、このブログ記事に対する解答用紙となっています。
問題:
連続な実数値関数fであって、任意の実数kに対して、f(x)=kを満たすようなxがちょうど3個あるような関数は存在するか?
解答
存在する。次のようなグラフを考える:
このグラフは、f(x)=sinx+ax(aは0<a<1をみたす定数)のグラフであり、かつx>0での最初の極小値がちょうど0になるようにaを設定した関数である。これが任意の実数kに対しf(x)=kを満たすxが3個あることは図より明らかである。
ちなみに、aの値を求めようとすると次のようになる。
\( f(x)=\sin{x}+ax \) について、
\( f'(x)=\cos{x}+a \)であるから、
x>0での最初の極小値をとるxの値は
\( x=2\pi-\cos^{-1}{-a} = \pi + \cos^{-1}{a} \)
であるから、その時の極小値は
\( \sin{(\pi+\cos^{-1}{a})}+ a\pi + \cos^{-1} {a} \)
=\( -\sqrt{1-a^2}+a\pi +a\cos^{-1}{a} \)
よってaは
\( a(\pi+\cos^{-1}{a})=\sqrt{1-a^2} \)
を満たすが、この方程式は解析的に解くことが出来ない。
(なお、aの値は小数では0.2172336282...となる)